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地べたから見た英EU離脱:昨日とは違うワーキングクラスの街の風景

★地べたから見た英EU離脱:
 昨日とは違うワーキングクラスの
 街の風景

 ブレイディみかこ | 在英保育士、ライター
 2016年6月25日 1時59分配信
http://bylines.news.yahoo.co.jp/bradymikako/20160625-00059237/
裏切られたと感じている労働者階級の人々を
 政界のエリートたちが説得できない限り、
 英国はEUから離脱するだろう


2週間前にそう言ったのは
オーウェン・ジョーンズだった。


二つに分断された国

(中略)
しかしわたしたちは英国でもリベラルな地域として
知られているブライトンの労働者だ。
「離脱」(青)と「残留」(黄)票の全国マップを
見てみると、英国中部と北部は「離脱」で真っ青だ。
「残留」の黄色はロンドン近郊やブライトンなど
南部のほんの一部、
そしてスコットランド、北アイルランドだけである。


この国は明確に二つに分裂している。
中部と北部 VS ロンドンとその近郊を含む
裕福な南部+辺境地域(ウェールズを除く)。

わたしや郵便配達のお父さんは南部の
労働者だが、きっと中部、北部の労働者たちは
もっと怒っていたのだろう。


リベラルの中にも離脱支持はいた

離脱投票の前に気づいたのは、
もはや一国の中で「右」と「左」の概念が
揺らいで混沌とした状態になっていた
ということだ。

一般に、EU離脱派陣営は、保守党右派の
ボリス・ジョンソンやUKIPのナイジェル・ファラージ
が率いた「下層のウヨク」であり、
これは「英国のドナルド・トランプ現象」と理解されて
いたようだが、地元の人々を見ている限り、
こうした単純なカテゴライズは当てはまらない。

「離脱」に入れると言っていた下層の街の人々は、
わたしや息子に一番親切で優しく、何かにつけて
助けてくれるタイプの組合系レフトの労働党支持者
たちだし、レイシストにはほど遠い感じの人たちだ。

それに、ふだんはリベラルで通っている人々の
中にも、最後まで迷っている人が多かった。

こうした人々の苦悩はコラムニストの
スザンヌ・ムーアが代弁していたように思う。

離脱を支持する人の気持ちがわかってしまうのだ。
 (中略)
 「古いワインのような格調高きハーモニー」という
 意味での「ヨーロッパ」の概念はわかる。
 が、EUは明らかに失敗しているし、
 究極の低成長とむごたらしい若年層の失業率を
 推し進める腐臭漂う組織だ。ここだけではない。
 多くの加盟国で嫌われている組織なのだ。

 それに、自分なりのやり方でグローバル資本主義に
 反旗を翻すためにも、私は離脱票を投じたくなる。
 が、二つの事柄がそれを止める。
 難民の群れに「もう限界」のスローガンを貼った
 悪趣味なUKIPのポスターと、
 労働党議員ジョー・コックスの死だ。(中略)
 だが、ロンドンの外に出て労働者たちに会うと、
 彼らは全くレイシストではない。
 彼らはチャーミングな人びとだ。
 ただ、彼らはとても不安で途方に暮れているのだ。
 それなのに彼らがリベラルなエリートたちから
 「邪悪な人間たち」と否定されていることに
 私は深い悲しみを感じてしまう。


労働党左派もこのムードを感じ始めたから、
潔癖左翼のジェレミー・コービンでさえ
移民について心配するのはレイシストではない
と言い始めたのだろう。
オーウェン・ジョーンズらの左派論客や、
労働党議員たちもある時期から同様のことを
言い出した。戦略を切り替えたのだ。
怒れる労働者たちを「レイシスト」と
切り捨ててはいけない。

むしろ、彼らをこそ説得しなければ
離脱派が勝つと判断したからだ。

(中略)
「貧困をなくし、
 弱者を助ける政治を目指す」

と高らかに言って労働党党首に選ばれた人が、
グローバリゼーションと緊縮財政のWパンチで
移民の数を制限してもらわないと、
 賃金は上がらないし、家賃は高騰するし、
 もう生活が成り立ちません
と訴えている
当の貧民たちに、
「そんなことを言ってはいけません。
 自由な人の移動は素晴らしいコンセプトです」

と言っても、
いまリアルに末端で苦しんでいる者たちには
「はあ?」になる。

(全文はリンク先で)




関連記事
★言論自由の英国で浮上した
 “言論の不自由問題” 元政府委員の告発
  「人種議論のタブー化が問題を深刻にした」

 2015.5.8
 http://www.sankei.com/premium/news/150508/prm1505080004-n1.html


★イギリス国教会
 「国民の懸念をレイシスト扱いして
  退けるのはとんでもないこと」
 …移民流入への恐怖は
 「正当なもの」と宣言

 2016/03/12(土)
 http://matometanews.com/archives/1804746.html



火種は、ずっと以前から・・・

★英総選挙 ブラウン首相、
 「偏屈な女」と言っただけだったら
 問題にならない
 
 小林恭子の英国メディア・ウオッチ
 2010年 04月 30日
 http://ukmedia.exblog.jp/14277366/
(引用開始)
英総選挙のため中部マンチェスター近郊を遊説中の
ゴードン・ブラウン首相が28日、与党の移民政策を
問いつめた女性(65)について
「頑迷な女め」とコメントした上、
「なんでこんなバカな会合を設定したんだ」などと
側近を叱責しているのが録音され、
BBC放送などが繰り返し放映している。
(略)
まず第一に、これが移民問題に関連していたから。
「頑固な」「偏屈な女」と言ったことで、
この女性が移民に対する否定的な感情を持つ人
=人種差別主義者(レーシスト)」という
ニュアンスが出た。

つまり、首相は
この女性を反移民の頭の固い人物で、
レーシスト呼ばわりに近いことを言ってしまった
のである。これは相当な大失態である。

英国では
人種差別は法律で禁止されているが、
これが本当に厳しい。
相手を人種差別主義者ではないかと
示唆しただけで、あなたも人種差別主義者だ
と言われてしまう可能性
がある位。


政治家も著名人も、人種差別主義者、または
反移民であると人から言われないように
非常に気を使っている。

(また、反同性愛主義者であってもいけない
 ーこれもタブー。)

英国は2004年、東欧諸国がEUに加盟した時、
他の欧州の多くの国のように「モラトリアム期間」
や条件をつけず、移民の流入を認めた。
結果的に、予想よりもかなり多くの移民が
ポーランド、リトアニアなどからやってきた。
そして、有能なポーランド人達は着々と仕事を
見つけ、税金を払い、子供を育てているわけだが、
例えば一部の地域では学校に急に生徒が
増えたとか、自治体で人口が急に増えたとか、
対応にあわてている現状がある。
「来るな」とは言えないのである、
EUの仲間だから。


 移民問題は本当にセンシティブな問題で、
反感を持っている人もたくさんいるのだが、
これを口に出すと
「差別主義者」と言われてしまう。

本音が言いにくい雰囲気があるし、
政治家もできればあまり議論をしたがらない。

「もう移民はいやだ。
 元々の英国民のために
 政府はもっと何かをしてほしい」

という、無視できない数の国民の本音
救い上げる主要な政党はないようなのだ。
だから極右政党BNPが一部地域では人気がある。

 そんなこんなで、
タブーの移民問題

これをこの女性が指摘したものだから
(「東欧からたくさん人が来てる、
  一体どうするの?」的な発言で)、
「頭の固い女だな」とブラウン首相が思わず
ため息・本音をもらすのも無理はない。
「頭が固い」のは移民に関して、
この女性の心が狭い・頑迷だという印象を
ブラウン氏は持ったわけで、
それを思わず口にした。
それを察知した英メディアはこの話題に
ことさら飛びついたのであるー
もちろん、選挙やテレビ討論への影響と
いうことで問題視されたわけだが、
核にあるのは移民問題だった

(引用ここまで)









深い問題ですね・・・
イギリスだけでなく、欧州だけでなく
全世界が抱える火種。

リアルタイムでイギリスに生活する
労働者目線のブレイディみかこさんの記事と
イギリスは「海賊国家」だから・・・と分析したり
アベ憎しで「安倍発言でEU離脱」などと
クリスチャンの正義を振りかざす視野の狭い
経済学者のリベラルエリート・浜矩子
には、
離脱に票を入れたリベラル労働者の気持ちは
一生解らないかもしれないな・・・


★欧州危機を読み解く
 プロテスタント vs.カトリック
 - 浜矩子(エコノミスト)

 2015年12月09日
 http://blogos.com/outline/148843/


★危機の真相
 イギリスの江戸っ子魂 
 安倍発言でEU離脱?=浜矩子

 毎日新聞2016年5月21日 東京朝刊
 http://mainichi.jp/articles/20160521/ddm/005/070/005000c








移民の数を制限してもらわないと、
 賃金は上がらないし、家賃は高騰するし、
 もう生活が成り立ちません


この問題は、シンガポールで
移民の単純労働者を政府がコントロールしても
起きる問題。


★シンガポール  
 外国人労働者依存社会で起きた
 40年ぶりの暴動

 2013-12-10
 http://blog.goo.ne.jp/azianokaze/e/88a43afebb01dbe947d82e088cf9659c


まあ、結局コレに尽きるな・・・




日本でも、EUのように
上から目線で干渉してくる勢力と


彼らを利用して
「移民問題」を人種差別問題にすり替えて
冷静な議論をさせない人々が存在する。
この問題を指摘すると、ブラウン元首相のように
「頭の悪いネトウヨども!」
「レイシストめ!」

と批判されてしまう・・・



日本の悲劇は、
きちんとした経済学者が大学で出世できない?
同志社大学の紫オバサンや
こんな人ばかりが「良心的知識人」と優遇される・・・








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Comments 1

弓取り

地に足のついたEU離脱はへたれにあらず

こんばんは。我らの日本は選挙を控えていますが、これもすごく重要なテーマを提示されていると思います。

イギリスのEU離脱の国民投票の結果は、日常生活に刻一刻とまったなし不可逆的に影響を受けることを、いっけん正義に見える理念のみで突っ走ることへの疲弊があることがうかがえます。
その底には、家庭のありかたや、その生活のゆりかごである社会のありかたを見直したい心性がありそうに感じます。
それは、20世紀から19世紀に、いい意味で逆に向かう流れ。家庭のありがたみも移民反対の周辺で起きてくると予想します。
できそうにもないことが見えてきたことを、無理と言うのは良いことだと思います。

それを、使い古された理想主義でのみ批判する言論人は間違っています。むしろ、ぜんぜんリベラルではないと言えます。
庶民の実態を考慮せずに、頭のうえで理想だ正義だ人権だと理屈が飛び交っても、いい気なものだと思われるだけで、国民を幸せにするものではないでしょう。

持続性のある生活の質、幸福のありかたについて、地に足のついた考えをするのが、21世紀のひとつの流れなのかも知れませんね。そう願いたいものです。

2016-06-25 (Sat) 21:44 | EDIT | REPLY |   

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