韓流研究室

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葉桜

愈々・・・抗がん剤が効かなくなってきたのか
脳に癌細胞の転移が見つかった従兄。
先週から「話を聞いてくれ」と言われて
毎日、がんセンターに向かう。

ただ、子供の頃から今までの愚痴を聞いて
「うん、うん」と頷くだけ。
楽しかった思い出話を振っても
従兄には両親が離婚して、
辛かった思い出ばかりが蘇るようだ。
癌の痛みや苦しさがそうさせるのか・・・
「全部吐き出しちゃっていいよ」と言って話を聞く。

頑張れ・・・とはこれ以上言えないから
帰り際に「また明日ね!」と笑顔を作って帰る。
今日は、「また・・・」と言いかけた所で言葉を遮られた。

こんな日常を仕事にしている看護師さん達には
本当に頭が下がる。
死期を悟った患者さんと、どう向き合うのか
大変なお仕事だわ。

もしも私だったら・・・と毎日考える。
それほど宗教には執着が無かったのに
仏教の『成仏』に関する本を読んだり、聖書を読んだり。
自分ではどうにも贖えない現実に、縋りつきたくなるのか・・・

★成仏して生きることを目指す仏教
 
http://www.nichiren.or.jp/buddhism/shaka/01.php



苦しみから解放され、安らかに生きるための方法を
教え導くのが仏教ならば
安らかに死ぬためには、生きている内から「成仏」する
準備をしておかなければならないのかな・・・



「お袋がさ・・・あの時離婚しなけりゃ・・・」

50歳を過ぎたオッサンが、
今更何を言ってんだと悪態をつきたいところだが
そうやって母親の愚痴を言いながら
遺していく老母を案じているのかなと思い
伯母を「赦して」しまったら、すぐに死ぬんじゃと
生きることを諦めちゃうのではと思い
とうの昔に「赦して」いるくせに。。。嘘つきだなぁ。

「もう・・・赦してあげなよ」とは言えなかったけれど
日に日に、声も出なくなってきた今朝は
二人で、「赦す支度が必要だね」なんて会話をした。

旅立つ仕度なんてさせたくはないけれど
「会いたい人はいる?」
「今、欲しいモノは何?」

認知症で入院もしている伯母に
言っておかなきゃならない事があると・・・
このまま逝こうと思ったけれど
最期に会っておきたいなぁと、彼は呟く。
「俺のこと、まだ解るかな・・・」

伯母には従兄の病状は、まだ告げていない。
従兄の奥さんが、担当医に相談に行っている。

誰もいない病室で、
たった一人で逝かれちゃ困るから
従兄の奥さんがいない間は、交代で
親族の誰かが見舞いに行くようにしているけれど。

1時間前に「また明日ね」と別れてきた従兄と
明日もまた話ができるのだろうかと不安を抱えながら
そんな心理状態で、車を走らせては危ないな・・・
気を付けなくちゃ。

今日も、多くの人が行き交う癌センター。
エレベーターの扉が空いても満員で乗れなかったり
不安を隠しながら我が子を見送る若い母親と、
無邪気に笑う幼子の手を引く若い父親・・・
1階のソファーで、
疲労困憊した家族達が横たわっていたり・・・

それでも季節は巡っていく。
病院の外は、すっかり葉桜が目立ってきた・・・

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 葉ざくらよ
 雨間の雫地をうてり
 花どき過ぎてかくはしづけき
 

 木下利玄
  


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