韓流研究室

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建碑式

実家の墓を建て直し、
今日ようやく、建碑式を行った。
雨の中、ご住職に
新しい墓石に「魂入れ」のお経を唱えて頂いた。

 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

東日本大震災後、この地域で大きく変わったのは
海の近くにある、この町営墓地だろう。
古いお墓が多かったのだが
大震災後、半数近くの家が墓石を造り直している。
耐震機能付きの墓石一体型っていうのかな。

きっかけは、このニュース・・・

★「せめて遺骨だけでも…」
 墓地から無許可持ち出し相次ぐ

 朝日新聞 2011年4月14日7時32分
 
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201104130198.html
  TKY201104130224.jpg

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東日本大震災で各地の墓地も損壊した。
東北の沿岸部では、
倒れた墓石が津波で押し流され、
元の場所が見分けにくい中、
「せめてお骨だけでも」と持ちだそうとする人の姿も。
遺骨を移すには墓地管理者の了解と自治体の許可が
必要だが、寺など管理者の多くも被災し、
対応しきれずにいる。

 仙台市若林区荒浜の寺。
一帯は被害が大きかったところで、
本堂は800メートルほど流され、
数百基あった墓は壊滅した。
そこに1人、また1人と檀家(だんか)が集まる。

 「この井戸の後ろに墓があったべや」
 「いや、ななめ後ろだったべ」

 宮城県塩釜市の小泉良子さん(64)は、
夫の敦弘さん(64)と7日午前、両親の墓を捜し始めた。
良子さんは「一番の目的はお骨。見つければ、
塩釜に持ってかえって移せるんだけど」と話す。

 30分後、碑銘を表にした墓石を10メートルほど
先で見つけた。敦弘さんが
「(先祖が)捜してくれって言ってたんだな」とつぶやくと、
良子さんは涙を流した。後日、遺骨を捜すという。

 すでに遺骨を持ち出した人もいる。
「黙って持って行ったらいかんと思うけど……」。
仙台市内の80代男性は、妻と父親の遺骨を
掘り出した。被害を免れた建物との位置関係から
墓の場所をさがし当てた。
墓石はなく、墓穴があらわになっていた。

 持参した青いバケツには、津波の土砂。
そこに白い遺骨が混じっていた。
「あのまま雨や風にさらすわけにもいかんでしょう」
と男性はいう。

 厚生労働省所管の墓地埋葬法では、
遺骨を動かす「改葬」には許可申請が義務づけられて
いる。仙台市生活衛生課によると、自治体への申請には、
墓地管理者の署名や印鑑が必要。
無断で改葬すると、罰金の規定もあるという。

 市担当者は
「管理者に無断で遺骨を持って行くと、
 他人の遺骨と間違うこともあるかもしれない。
 被災状況が明らかになるまで、持ち去らない
 ようにしてほしい」と訴える。

 だが、管理者の多くも避難するなどしていて
連絡がつかない。
連絡がとれても、対応しきれない寺もある。
約380年の歴史がある同県岩沼市下野郷の法円寺は、
160基あった墓が流され、墓地の管理に必要な
帳簿も流失した。


 住職の寺川一成さん(70)は
「檀家さんが遺骨を持って行こうと、
 (檀家をやめる)離檀をしようと、
 寺ではとめられない。
 遺骨を集めて預かりたいが、
 お寺も流されてしまったのだから……」と話す。

 全日本墓園協会の横田睦主任研究員は
「寺も檀家も被災した今、
 墓をどうするかはまだまだ先の話。
 生活が落ちついたら、
 管理者と使用者が共に考えるべきだ」
と話している。

(引用ここまで)



高台の墓地に、お墓を引越した家も多い。
跡取りが都会に行ったまま帰ってこずに
向こうに新しく墓地を購入して引越したという
ケースも有るそうだ。

後継者がおらず、墓終いする家も多い・・・
先祖代々のご遺骨を守ってきた高齢者が
生きている内に、自分の代で廃墓にする。
なんと哀しく、辛い決断だっただろう。
檀那寺にご先祖の位牌を預け、ご遺骨は永代供養し
自分が亡くなった際の永代供養の手続きを済ませ
墓終いをして、更地にするのだそうだ・・・


昔からの家長制度や本家制度を批判し、
「古臭い」「男尊女卑」「戦争に繋がった」などと
主張するサヨクさんや他宗教、外国人の皆さんには
到底、理解しがたい心情かもしれないけれど
http://www1.tcue.ac.jp/home1/c-gakkai/kikanshi/ronbun8-4/shen.pdf

「家を継ぐ」というのは
長男が財産を独占することだけではない。
先祖代々の遺骨や位牌を守り
子々孫々に引き継ぐ責務を負う。
数々の法要を執り行い、墓石の管理もする。
冠婚葬祭において、全ての責任を負うのだ。

家制度を否定し、個人の自由を謳歌したいだろう。
そりゃそうだ。
だって、長男の家、一族の本家に生まれると
本当に大変だもの・・・

お彼岸もお盆も、お正月も関係なく
デモ行進に明け暮れる人達には、
守るべき先祖も養うべき老いた親もいないのかな?
それとも、そんなものは勝手に放棄して
親族の誰かに一方的に押し付けて
その労苦に感謝する事も、心配も無く
自由気ままに生きているのかな???

自分が、今ここに生きているという事は
両親がいて、双方の祖父母がいて
双方の祖先がいて、
そうした脈々と続く歴史が有るからこそ
「私」という存在が有ると思うのだが。

 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

戦後のまだ苦しい時代に、
祖父は戦死した長男・一郎さんの為に
墓石を新しく造り直した。
空襲で焼け焦げた先祖代々の墓石を直し
その隣に、
一郎さんの為に立派な墓石を造った。

古い墓石を解体する前に、魂抜きの法要を行い
数々の骨壺を取り出した時、祖父の気持ちが
息子を亡くした哀しみが痛いほど理解できた。
一郎さんの骨壺の中にあったのは、
真綿に包まれた数本の髪の毛と僅かな爪のみ・・・
出征前に、一郎さんが残していった唯一の遺品。

一郎さんが確かに生きていたという証を、
祖父は残したかったのだろう。
一郎さんの墓石の側面には、戦死した日と
何処で、どんな戦況で命を落としたのか刻まれている。
遠い南方の戦地から遺骨が戻ってこない状況で、
せめて・・・
墓や位牌だけでも立派なものを作ってあげたい
祖父の遺した仏壇や墓石から
深い深い哀しみを読み取る事ができる。

新しい墓碑には
祖父母の隣に、一郎さんと私の父の名が刻まれた。
祖父母の思いを忘れないように
一郎さんが戦死したフィリピンの小島の名も
しっかりと刻んでおいて貰った。
いつか子孫の誰かが、どのようにして一郎さんが
戦死しなければならなかったのか検索出来るだろう。
姪や甥、そしてわが娘達が建碑式の後、
スマホで検索して、どのような戦況だったかを
調べていたように・・・

新しい墓石の中に
祖父が建てた一郎さんの墓石や
江戸時代からの古い墓石も並べて建立した。
遠く県外から駆け付けてくれた叔母が
涙を流しながら、長男である兄に何度も何度も
お礼を言ってくれた。

兄1人で建て直せたのではない。
父の姉妹や弟達が、私達姉妹も
「長男だけに負担をさせては申し訳ないから」と
皆で少しづつお金を出し合い、
この魂入れの法要にも建立お祝いを持って
各地から駆け付けた。

墓地内の、朽ち果てたまま放置されたお墓、
墓終いして更地になった多くの区画を見ながら
我が実家は幸せだと、しみじみ思う。

 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

帰りがけ、
一昨年、78歳で亡くなった近所さんの家の
新しい墓石と墓碑を見て驚いた。
先日完成したばかりという新しい墓碑には
故人達の戒名が一斉刻まれていない。
我が家よりも、もっと古くからの家だったのだが
元教師の未亡人の奥様が造り直したお墓は
メインの墓石は、
「心」という文字と飛行機とバラの花・・・

最近流行の”デザイン墓”というものらしい。
家名も家紋も何処にもなく、戒名も無く
(ご主人の葬儀に参列したけれど、戒名は有った)

我が家が墓を解体した時には
祖父が土葬時代のご先祖の遺骨を大甕3つに
まとめて入れてあった。
今回、新しい土台を組んでから
大甕を再び納めてから蓋をするように上の台を
乗せたのだが・・・

ご住職と石材店さんによると
ご主人が亡くなって1周忌が過ぎてから檀家を辞め
江戸時代からのご先祖の土葬のご遺骨は
新しい墓石の土台の下にばら撒かれ、その上に
コンクリートの基礎を敷いているそうだ。
古い墓石13基は全て廃棄。
ご先祖様の痕跡は全て消され、夫だけでなく
舅や姑の戒名も消し去られ・・・

故人の名前の隣にはペットの名前が刻まれている。
メロディ 享年11歳と・・・

趣味が旅行という夫と、自分の好きな薔薇の花を
デザインした墓石に造り直したのだそうだ。

まあ・・・ねぇ・・・他家の事だからねぇ・・・
でも、何だかなぁ。
確か、亡くなったあのおじさん
昔、「僕で14代目なんだよ」とよく言っていたのにな。
立派な門構えの和風庭園があったご自宅は、
お爺ちゃんご自慢の鯉が泳いでいた池も
いつも職人さんが手入れをしていた立派な黒松も
古い灯篭等も全て消え、賃貸アパートになっている。

相続税とか大変だから、仕方が無いのだけれども・・・
飛行機と薔薇の墓石かぁ・・・

 rose.jpg
(実物ではないけれど
 こんなタイプのお墓になっていた・・・)

夫のルーツの痕跡を、躊躇なく消し去る妻か・・・
価値観が違うから仕方が無いのだけれども
やっぱり・・・
私には多文化共生社会は無理だわ。

昨今、TVのワイドショーなどが
「夫と一緒の墓には入りたくない!」
「夫の先祖の墓に入るのは嫌!」

という”奥様”が増えていて
自分の実家の墓に入りたいと希望したり
個人墓を造ったり、趣味の合う”墓仲間”を募って
合同墓に入るケースが流行っているという
キャンペーンを放送している。

実家の墓に入ることを希望?
その実家の墓を守っているのは誰なのよ、っての!

流行は、必ず廃れる・・・

お彼岸、
あちこちのお墓で、香花とお供えの花を抱え
お墓の掃除をして、墓参してくれる親族を待つ
墓守の跡取りの「家」に生まれた人やその配偶者。

墓守も墓参する親族も無く、
草茫々で荒れ果てたお墓は、本当に哀れだ。
そんな無縁墓が、年々増えていく・・・


★継がれず無縁、さまよう墓石 
 不法投棄続々、墓の墓場も

 朝日新聞 2014年7月30日
 http://www.asahi.com/articles/ASG7Y5F9PG7YPTFC019.html




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Comments 1

墓BARの鬼太郎

建碑式、ご苦労様です。

絆と薔薇の墓石が、BARの立て看板にしか見えない気がするのは、私だけ?
或いは、一歩間違えれば、麻雀牌か花札か…。
最近の嫌な風潮で、支那語、朝鮮語併記なんてのも登場するのかもね。

2015-03-20 (Fri) 10:23 | EDIT | REPLY |   

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