韓流研究室

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守れなかった江戸からの「奇跡の森」、開発で伐採の愚

★江戸からの「奇跡の森」、
 開発で伐採 なぜ守れなかった

 朝日新聞 2015年1月18日
 
http://www.asahi.com/articles/ASH195S0TH19UTIL02L.html
  a1_1_20150118235759592.jpg
大田区の高級住宅地にあった自然林が
昨年末、マンション開発のため伐採された。
江戸時代からほぼ手つかずの「奇跡の森
残そうと、住民が立ち上がり、区も買収をめざしたが
実らなかった。なぜ守れなかったのか。

伐採されたのは、
大田区鵜の木1丁目の個人宅の敷地内の林。
環状8号線に面し、田園調布に近接する好立地
にかかわらず、約9千平方メートルのほとんどが
樹木で覆われていた。
地域住民からは、地主にちなみ
「天明(てんみょう)さんの森」と親しまれていた。

区内最大とされたトチやイチョウなど
幹の直径1メートルクラスの大木をはじめ、
直径10センチ以上の樹木が581本あった。

前所有者の一族は室町時代から続く旧家で、
江戸時代は周辺の名主を務めた。
住民や親族によると、
「江戸初期に敷地に接して
 つくられた用水路が完成してから、
 ほとんど人の手が入っていない」
という。
戦後まもなくの航空写真をみると、
一帯は空襲を受けたが、この林が焼け残った
のがわかる。

土地を所有していた親子は
ここ数年で相次いで亡くなった。

登記情報によると、
2013年に別の親族に所有権が移り、
昨年1月に東急不動産(渋谷区)に売却された。

同社は、
12階建て、278戸の大規模マンションを計画する。
昨年末に始まった基礎工事の準備で、
樹木のほとんどは伐採された。

反対運動を起こした住民グループの連絡役、
宮川達雄さん(60)によると、開発については
昨秋の住民説明会で初めて知った。
「あっという間に伐採されてしまった。
 住民にとってシンボルだっただけに悔しい。
 区には何とか残してほしかった」


林は市街地にあるため、
建物の高さや容積率など規制が緩い。
同社によると、林にあった樹木で残されるのは、
小さい10本程度になる見通し。

広報担当者は
「法令に従い工事を進めている。
 敷地の緑化面積は区条例の規定以上に
 する予定で、
 任意である生態系調査も実施した。
 今後も区と協議しながら進めていきたい」
としている。

(引用ここまで)



天明家は、鎌倉時代に下野国から
大田区の鵜の木に移り住み
江戸時代、鵜木村の名主だった旧家。
その旧住居は、江戸後期築造の
千鳥破風(ちどりはふ)を持つ茅葺き住宅で、
格式のある代表的農家建築物として
長屋門・枯山水庭園とともに
都立小金井公園(玉川上水近くで桜の名所)内にある
江戸東京たてもの園に保存されている。
天明家の入口である長屋門には
明和6年(1769年)の棟札があり、
主屋も同時代の完成と推定されています。



★鵜の木
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B5%9C%E3%81%AE%E6%9C%A8
地名の由来[編集]

文政9年(1826年)に編纂された史書、
新編武蔵風土記稿によれば、
「鵜ノ木は荏原郡の南にあり、
 村名の起こりは村内鵜ノ森明神の社ある
 によれりと土人は云えり」
とある。
ここで言う明神社がどこに存在したのか
現在となっては定かではないが、
この一帯は昔、鵜が非常に多く住み着いており、
豊かな森が広がっていた事からも、
そこから自然発生的に呼ばれた
「鵜ノ森」から地名が来たと考えられている。

また、鵜の木に古くからある光明寺の
記録によれば、正応5年(1292年)には
既に「鵜ノ木」の呼称が使われていたとされている。
(中略)
沿革[編集]
749年から756年(天平勝宝年間)
- 寺伝によれば、この地へ行基が
光明寺を開創したとされている。

1489年(延徳元年)
- この年、下野国から来た天明氏により、
この地が開拓されて村落が作られたとされている。
当時の地名は武州荏原郡鵜ノ木村と記されている。
1826年(文政9年)
- この当時、鵜ノ木村の戸数は57戸とされている。

(引用ここまで)



★江戸東京たてもの園(15)
  E1天明家(農家)

 http://aztkhs.blog.fc2.com/blog-entry-296.html

★天明鍛冶と天明家
 http://www.njg.co.jp/blog_morioka.html?itemid=2505

★天明宿星宮神社(栃木県佐野市)
 http://kaguraden.blog11.fc2.com/blog-entry-10.html



東京には、
「鵜の木」の地名の由来だった鵜ノ森の他に、
烏ノ森(新橋)、鷺ノ森(白金)、鈴ケ森(大森)
という四つの森が在ったそうな・・・
江戸時代から続く森を再び失うとは、
何ともやるせない。

★「(仮称)ブランズシティ久が原計画」
 周辺住民のブログ

 http://rokugouyousuimamoru.blog.fc2.com/



■昭和10年頃の航空写真
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■伐採前の航空写真
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■東急不動産伐採後の森
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■建設中のマンション予定図
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>土地を所有していた親子は
 ここ数年で相次いで亡くなった。
 2013年に別の親族に所有権が移り、
 昨年1月に東急不動産(渋谷区)に売却された


都内の一等地、相続税の支払いのためには
やむを得なかったとは思いますが・・・
天明家の旧宅を解体する時に購入し、
貴重な歴史建造物として移築・保存したのでしょう。
その際、
この森の保存について検討されなかったのかな?

昨年、
亡くなった父の遺産相続でお世話になった
税理士さんも嘆いていました。
相続税の支払いによって、地元の旧家の家屋敷が
次々に消滅していくと・・・

私の両親は、名家と言われる程ではないが
双方とも江戸時代から続く家で
母の実家の方は、地元に残る文献や寺の過去帳
から調べると、鎌倉時代には既に存在していた。
去年、いとこが家系図や古文書などの文献をまとめ
自費出版で一冊の本を作成し、親族に配布してくれた。

共産主義者には目の敵にされるが
農地解放で多くの土地を失っても
先祖代々の土地を守り抜くのは色々大変なのよ。
親族は「本家」を絶やさないように相続放棄をし
「本家」の当主は、その代わりに親族達を守る。

一族の当主になるという事は、
先祖代々から預かった資産を、子孫に受け渡すだけ。
いわば「預かり物」の土地を守るために生きる・・・
先祖伝来の家宝や土地を切り売りせずに
相続税を捻出しなければならないから、
成金資産家と違って贅沢三昧なんかできない。
常に質素倹約だわよ!
子供の頃、
母の実家「本家」の大掃除に一家総出で参加し
黒塗りの床を従兄弟たちと競いながら磨いたり
市販のおせち料理とは全く違う、
先祖伝来のおせち料理を一族総出で作ったり
叔母達が土蔵の中から、代々使い込まれた
ハレの日用の漆器の数々を運び、丁寧に拭き
大人達の昔話を聞きながら色々と学んだ。

美智子皇后陛下の生家である正田家が
相続税のために物納され、歴史的建造物の
旧正田邸が取り壊された件は記憶に新しい。
相続税を払うために、資金を捻出するため
売却し、または物納し、
その結果、
その土地に縁もゆかりも愛着も無い所有者が、
いとも簡単に歴史的建造物や自然環境を破壊する。

また、旧家の子孫の中にも
先祖伝来の地を守ろうとする意識が薄いと
私利私欲に走り、売って一儲け!なんて輩が
家を継ぐと・・・そりゃ大変なことになる。

守ろうとする気概が無ければ
神社仏閣や武家屋敷、老舗などの商家、
伝統工芸の工房、町屋などが並ぶ
最も日本らしい町並みが、次々と消失し
無味乾燥の、数十年後には使い物にならない
ガラクタ物件が乱立するだけ。

京都に唯一残る公家屋敷の冷泉家。
明治政府は、明治天皇を東京に移住させ
公家たちもそれに続き移住したのだが
東京移住命令により
現在の京都御苑にあった公家町の公家の屋敷は
全て破壊されてしまった。
唯一、東京に移住せずに残った
御苑外の今出川以北にあった上冷泉家の屋敷は
取り壊しを免れたといわれている。

冷泉家も、
相続税の支払いによって売却の危機にあったが、
重要文化財に指定され、今も公家屋敷として残る。
但し、住みながら伝統家屋を保存するという事は
かなりの不便や努力が必要だろう・・・

しかし、
ヨーロッパでのように歴史的な建築や町並みを
保存するという意識の高さによって
多くの中世ヨーロッパの町並みが美しく残っていて
それが観光資源にもなり、その国の誇りにもなっている。

地震や災害に晒され続けた日本の木造家屋と
欧州の石造りの堅牢な建築物保存を比較するのは
困難なことだろうけれど
残せるものは、何としても残すという「文化」を育てないと
バブルの頃の土地ころがしで
雑居ビルやマンションや駐車場だらけの
美しくない街並みに、
歴史も伝統文化も、未来すらも感じ得ない。

失ってから、その価値に気付いても遅いのだ。

先日、
中国の新聞が日本を旅行した中国人観光客の
感想を掲載した。
「東京に行ったが、高いビルが少なくて
 期待したほど凄い都市では無かった。
 二度と行く気にはなれない」
という趣旨の記事。
中国政府の政治的意図もあるかもしれないが
バブル気分の中国人には、豊かさの象徴
まさに近代的高層ビルの乱立であり、
上海など自国の方が「豊かだ」と思ったのかもしれない・・・
かつての日本人も、そうだったからね。
そしていつか気が付く日が来るかもしれない。
真の「豊かさ」とは何だったかを・・・
共産党一党支配の内は、無理かもしれないけれど。

失う「森」もあれば、
新たに人工的に造った「森」もある
大手町にできた『大手町の森』だ。

★「大手町の森」に見る
 次世代都市緑化の可能性

 http://www.ecozzeria.jp/topics/daimaruyu/daimaru1209.html



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Comments 6

トマト

呪われるんだろうな~甘く見てると 景気が良くなると?マンションが必要ない所まで建ちまくりますよね。バブル時代、気持ちがどんよりしたことを思い出す記事ですね。切ないです、本当に

2015-01-19 (Mon) 14:29 | EDIT | REPLY |   

弓取り

もったいない

信用と同じで失うのは早い。
人口減少なんだから、こんなに宅地化すすめてどうすんの。金満シナ人にでも売るつもり?列島改造とかバブルとかの発想しかできないのかな。日本破壊の手先に成り下がったのやら。お役所は民間の日本文化破壊には善意の第三者なのかしらん。

森はもちろん、そこにお住まいだった方々も無念なのではないかと痛ましくなります。

2015-01-19 (Mon) 23:17 | EDIT | REPLY |   

トロロ

思い出

実は、此の本家の天明さんかは覚えていませんが、中学生の時に学年違いで同じ名前の方がいらっしゃいました。凄い御家の方と聞いていましたが、とても静かで質素で上品な方でした。旧い御家が少なくなってゆくのは寂しいです。私の実家もあっという間に崩壊し、無くなってしまいました。大した家でもなかったのですが、一人でも放埓な者が出たり、持続する気力が無くなると、砂山が崩れるように消えてしまうものです。
別に天明家がそうという話ではなく、家を持続させる事は一族の並大抵ではない努力が必要なのです。法律ももう少し歴史とか環境への慮りがほしいです。ブログ主様のお話が身に沁みます。
天明家と同様の素晴らしい宝を消してしまわないような、公的な仕組みは出来ないものでしょうか。

2015-01-19 (Mon) 23:29 | EDIT | REPLY |   

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2015-01-20 (Tue) 01:05 | EDIT | REPLY |   

みやこわすれ

トロイの木馬

跡取り息子だからと、姉妹を犠牲にして大切に育てても、計算高い女につかまったらおしまい。すべてお金に換算することしか頭にない。

歯を食いしばって守ってきた旧い家の過去・現在・未来を盗んでなんとも思わない。自分の得にならないことには指一本動かさない。

両性の合意のみで結婚出来るなどと憲法で保障されれば、家はあっという間に崩壊。国家も崩壊する。

相続税ゼロ・家督制を復活しないと国はもたない。

2015-01-20 (Tue) 09:48 | EDIT | REPLY |   

白珠

>江戸時代からほぼ手つかずの「奇跡の森」を残そうと、
>住民が立ち上がり、区も買収をめざしたが

>前所有者の一族は室町時代から続く旧家で、

>冷泉家も、相続税の支払いによって売却の危機にあったが、
>重要文化財に指定され、今も公家屋敷として残る。

これら内容や、江戸東京たてもの園に天明家の建物が保存されている事
をふまえると、土地売却&伐採がされるずっと前に、保存する手立てをとる余裕はいくらでも有ったって事ですよね。
でもって、
>広報担当者は今後も区と協議しながら進めていきたい」としている。
区が買収を目指してるのを尻目にあっさり伐採しておいて、嘘吐きがモロバレ。

それと、
>東京移住命令により現在の京都御苑にあった
>公家町の公家の屋敷は全て破壊されてしまった。
公家たちは、移住後の屋敷の取り扱いについて考えてなかったんだろか?明治天皇にしても、京都が様変わりする事や大事な資料が無くなるといった事に思い至らなかったんだろか?当時だと、一日や二日で壊せるはずもないだろうし、明治政府に駄目出しはしなかったんだろか?


コメ欄の
>相続税ゼロ・家督制を復活しないと国はもたない。
ルーピー鳩山ってのの存在を忘れないで下さいw

ブログ内でも、「また、旧家の子孫の中にも先祖伝来の地を守ろうとする意識が薄いと私利私欲に走り、売って一儲け!なんて輩が家を継ぐと・・・そりゃ大変なことになる。」と指摘されてるってのにw

根本的な解決方法としては、やはり、売却や伐採で手遅れとなる前に、
国や地方自治体が保護区指定をする事なんでしょうな。

2015-01-22 (Thu) 15:12 | EDIT | REPLY |   

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